屋上部分を緑化する意味について
屋上緑化は建物の屋上部分に樹木や芝生を植えて緑化する行為を指します。ベランダに植木鉢を置くのとは異なり、屋上全体を緑で覆うのが特徴です。都市部ではビルの屋上を緑で覆うケースが増えていますが、これはヒートアイランド現象の予防を目的としています。ヒートアイランド現象は狭い地域に温室効果のある二酸化炭素が溜まることで急激に気温が上がるのが特徴です。都市部は二酸化炭素を多く含む排気ガスが多量に放出されるので気温が上昇しやすい傾向があります。そのため、二酸化炭素を吸収する植物を増やすことによって高温化の予防が試みられているのです。屋上緑化は空き地が少ない都市部でも緑を増やせるメリットがありますが、土や樹木の重みが建物に加わるので補強工事などの対策が必須であることを注意します。
屋上緑化は生態系に変化をもたらす
都市部で多く行われている屋上緑化は地域の生態系に変化をもたらすことがあります。特に虫や鳥など飛行ができる生き物への影響が大きく、屋上緑化を施したビルを中心にした縄張りを作るケースも少なくありません。都市部で野生の生き物の姿を観察することができる一方で、地域の生態系に影響を及ぼす可能性もあります。外来種の生き物が住み着くことで個体数を増やし、地域の固有種に大きな危機をもたらす可能性も否定できません。屋上緑化を行いつつ地域の生態系に影響を与えないためには屋上部分をネットで覆うなど、生き物が入り込めないようにする工夫が必要になります。また、飛散する葉や枝が地面に落ちることで害虫が繁殖するおそれもあることから、近隣の清掃にも気を配ることが大切です。
建物の屋上に軽量土壌などをのせ、そこで芝などの植物を栽培することを「屋上緑化」といいます。植物の蒸散作用によって周囲の気温が下がる、太陽光を植物が遮ることで屋内の気温が下がる、などの効果があります。